一条工務店の展示場に初めて訪れた際の話をしたいと思います。
当時の私は一軒家ではなく「駅近マンション」を購入する予定であり、「一軒家」を建てるつもりなど微塵もありませんでした。
賃貸で住んでいたアパートから展示場が近いこともあり、見るだけみてみようとのことで嫁さんに、なかば強引に連れていかれ一条工務店というハウスメーカーに出会ったというのがきっかけです。
今回は、初めて訪れた展示場で出会った一条工務店の住宅商品の「セゾンAとi-smart(アイスマート)」の違いについての内容です。
一条工務店、入居5年目の『となり』がお送りします。
一条工務店の住宅展示場
初めて訪れた住宅展示場。そこには陽だまりのような、緩やかな空間が広がっていました。人がいるようでいないような。騒がしくもなく静か過ぎでもない。そんな空間です。
あちらこちらで呼び込みがあります。住宅展示場では数件ハウスメーカーを見学すれば、粗品が貰えるという素敵で太っ腹な場所とも言えます。
子供の頃は親が「サラダ油」なんか貰っているのを見て何が嬉しいのか、サッパリわかりませんでしたが、大人になった今は気持ちがわかりますね。油嬉しいですよね。油。
また油だけでなく新製品の食品・洗剤の試供品もくれたりします。多分、子育て世代にマーケティングと宣伝も兼ねて配っているのでしょう。なかなか頭の良い戦略だと感心します。
続いて、セゾンAとi-smartを見て感じた違いは以下になります。
- 一条工務店のセゾンA
- 一条工務店のi-smart(アイ・スマート)
一条工務店のセゾンA
昔ながらの洋風な家です。「弟切草」の舞台になりそうな洋館です。良くも悪くもレトロな雰囲気が漂ってくるそんな家でした。
素直な感想としては、申し訳ないですが、「セゾン」で家は建てなくないと思いました。床・柱・壁など1つ1つの素材に良いものを使っているのは素人目でみてもわかりますが、
ただなんていうかこう「古臭い」んですよ。夏休みに田舎の親戚のおばちゃん家に遊びに行ったような感覚になってしまいます。
毎日、親戚のおばちゃん家に帰るのは嫌なので却下。一応、嫁さんにも確認しましたが「もうオシャレなやつがいい!」と言っていたので、同じような感想を抱いたのだと思います。
いわゆる子育て世代の30代の家族には、ウケが悪いのではないのかと思います。40・50代ぐらいになれば感性と見方が変わり「セゾン」が良いと思うのかもしれません。
一条工務店のi-smart(アイ・スマート)
シンプルモダンなデザインの今時風な家です。「スマート」と名がつくだけあり、キッチンやドア・床などの建具がオシャレです。
セゾンAとは対照的で、子育て世代に人気がありそうな家です。事実結構な勢いで売り上げを伸ばしている人気商品とのことです。嫁さんも満足気な表情を浮かべていました。
説明を受けるなかで一条の営業さんが語っていた「i-smartの魅力」について自分なりの解釈を含めて述べたいと思います。
高気密/高断熱である
通常、一軒家は気密性/断熱性が低くなります。それはマンションと比べて構造的な違いがあるからです。
いっぽう一条工務店の「i-Smart」では窓に「トリプル樹脂サッシ」という名の3層ガラスを使用し、「高性能ウレタンフォーム」という分厚い断熱材を使用することにより高気密・高断熱の家を実現しています。
もちろん窓や断熱材だけでなく、様々な技術を取り入れていると思いますが大雑把に説明するとこんな感じです。
高気密/高断熱を証明する指標としてC値・Q値というものがあり、この数値が低ければ低いほど高気密の住宅であることを示しています。
「i-smart」のC値は「0.59」Q値は「0.51」と他ハウスメーカーに比べて圧倒的に低くなっています。
寒さにめっぽう強い住宅なので、寒冷地の北海道で特に人気がある住宅とのことです。
標準仕様で全館床暖房が付く
リビングのみ床暖房完備という住宅が多いなか「i-smart」では全館(全室)床暖房となっています。それも標準で。
全館に床暖房を敷き詰めたら電気代が、とてつもなく高額になってしまうかと思いきや、前述した高気密/高断熱というのが効果を発揮してきます。
温度変化の少ない家なので全館に床暖房を敷き詰めても、さほど電気代はかからないとのことです。信じ難い方は、毎月の電気代を公開している一条ブロガーの方もいるので参考するとよいと思います。
充実の標準仕様
一条工務店はフィリピンに工場を持っていて、家に関するほとんどの建具を自社で生産しています。自社で生産しているためコストを抑えることができ、市場価格より低価格で商品を販売するという経営スタイルです。
一般的に展示場でみたまんまの家を建てようとすると1億はかかると言われています。なぜなら他のハウスメーカーの展示場の家は「オプションてんこ盛り」にして見栄え良くしているためです。
いっぽう一条工務店は充実の標準仕様というのを売りにしていて展示場で見たイメージのままの家を建てれることを売りにしています。
オプション費用が発生するものもありますが、目玉が飛び出るような高額なオプションは、ほぼありません。
屋根一体型の太陽光発電パネルが付けられる
自社で太陽光パネルも生産しているので、メーカーに比べて安く採用することができます。ひと昔前は「夢発電」という制度が流行っていましたが、現在は住宅ローン金利のほうが低金利のため利用者は少ないとのことです。
また太陽光発電の買取り価格は、年々下がっているので、4・5年前ほどの勢いはなくなってきていますが、ここ2・3年内であれば、まだまだ投資価値はあると思います。大幅に損をすることはないでしょう。
きっと。たぶん。そう思いたいです。
維持費・メンテンナス費が安い
マンション・一軒家に関係なく「持ち家」には維持費がかかります。特に外壁の修繕は10年に一度、100万単位の修繕費がかかると言われています。一軒家の維持費のなかで1番のネックがこの外壁の修繕です。
この頭を抱える外壁の修繕費の問題について、「i-smart」では「ハイドテクトタイル」という日光で汚れを分解するという光触媒の技術を利用したタイルを採用することができます。
修繕が半永久的に不要。というわけにはいかないが、修繕にかかる費用を抑えることができるというわけです。
無難なデザインで住宅設備の選択肢が少ないのが残念
自社で生産しローコストで提供することの裏返しで、ほとんどの住設・建具は一条の製品を採用することになります。
「キッチンには憧れのあのメーカーの物を採用したいわ。おほほ。」みたいな夢は一瞬で無に返されると思っていたほうが懸命です。他メーカーのものを採用することが不可能というわけではないですが、かなりの費用が発生してしまいます。
またデザインに関しても、i-smartはモダンでオシャレな家だと書きましたが、住設専門のメーカー(リクシル)などと比較すると、やはり見劣りします。
万人受けする無難なデザインが多く、選べるカラーバリエーションも少ないです。例えばキッチンだと、以下のようなデザインのものになり。
このデザインの住設が気に入るか、気に入らないかで変わってくるかで気持ちが大きく変わってくると思います。私の場合は、i-Smart のデザインを気に入り、住宅性能の高さに強く惹かれたため、デザイン良し悪しは気になりませんでした。
注文住宅なのに、間取りに制限がある
間取りに多くの制限があります。通称、「一条ルール」と呼ばれているものです。一条の家は、「注文住宅」なので、自由に間取りを決めることができますが、あまり凝った間取りは「一条ルール」に阻まれ実現できないケースがあります。
その一条ルールは他のハウスメーカーより厳しい制限であるような印象を受けます。もしどうしても叶えたい間取りがあるのであれば、事前に営業さんに確認することをお勧めします。契約した後では遅いので…。
一条工務店の住宅展示場で感じたi-smartとセゾンAの違いのまとめ
以上が展示場で見て説明を受けた「セゾンA」と「i-smart」に関する内容になります。
セゾンAの印象としては、良い家・立派な家であることは間違いないのだが、全体的にデザインが古臭く田舎の親戚の家。という印象でした。
一方、i-smartはセゾンAの良さを引き継ぐつつ、デザイン面を今風に一新した商品。という感じです。ただ、デザインを今風にした制約として、デザインのバリエーションは少なく間取りにも制約がある住宅商品であるということがわかりました。
ただこのへんは、家づくりにおいて何を大事にするかにより、この答えが変わってくると思います。
私の場合は、「1年中快適な空間でそこそこオシャレな家で暮らしたい」という気持ちの部分が強いため「i-smart」は魅力的な家だと感じでいます。
当記事の関連記事はこちらです。